未分類

首里城の復元・復興費用は100億円以上?火災保険に加入していた

首里城

10月31日未明、首里城で発生した火災で正殿、北殿、南殿いずれも焼失してしまう痛ましい事件が起きました。

日本が誇る貴重な世界遺産だけに、今後は再建・復元していく工事が進められると思いますが、その建設費用は100億円以上かかるとの見立ても・・・

2019年4月にフランスで発生した「ノートルダム大聖堂」の火災では、国が保険加入していたことや、保険会社の大規模な寄付がありました。

また、1950年に放火で焼失した金閣寺は「国費」で復元されたという事例もあります。
今回の首里城についてどうなるのかを考察してみました。

沖縄県那覇市 首里城が火災で消失

首里城火災

報道による火災の詳細は以下のとおりです。

沖縄県警によると、31日午前2時50分ごろ、那覇市の首里城で「正殿で火災が起きている。黒煙が上がっている」と消防から110番通報があった。那覇署によると、首里城の正殿、北殿、南殿が全焼。正殿前にある御庭(うなー)に入る入り口の「奉神門(ほうしんもん)」や、南殿に隣接する「書院」にも燃え広がっている。いずれも木造の建造物。消防が最初に現場に到着した際には、正殿の向かって左手の方から炎が上がっていたという。

原因については現在調査中ですが、10月27日~11月3日までは毎年「首里城祭」が開催される期間であり、火災事件の日もそのイベントの準備で人の出入りはあったそうですが・・・

SNSやネットでは「ユーチューバーの仕業」「中学生が焚き火をしていた」など、出所不明のデマや信憑性を欠いたガセネタも飛び交っているため、不確定なSNSでのツイートに騙されないよう注意が必要です。

sponsored link

首里城の再建・復元完成の費用は?

首里城

首里城は創建の起源は不明ですが、今日に至るまでに4度の焼失を経験している首里城。1453年・1660年・1709年・1945年に加え、2019年で5度目の焼失は悲劇です。

戦前の首里城

沖縄県が、アメリカ占領統治から日本へ返還されたのが1972年。

その後少しずつ準備を始め、1979年から本格的な工事を開始、ようやく完成したのは2018年の秋のことなので、「やっと完成した」はずだった首里城の火災事故のショックは計り知れません。

内閣府の調べでは、首里城復元の総事業費は1986年から2018年の33年間でおよそ240億円かかったとされています。

首里城 復元工事の様子

31日の首里城焼失を受け、政府内では再建に向けた検討が加速している。内閣府によると、焼失前の首里城の復元にかかった総事業費は1986~2018年度の33年間で約240億円に上る。再建には相当の期間と費用がかかることも予想される。

引用:琉球新報

琉球新報によると工期は33年間だそうですが、初期に着手した1958年から逆算すると60年あまりの歳月を要したことになります。これだけの大きな建築物だけに、時間も費用も莫大にかかる大事業なんですね。

ところで、前回の復元工事にあたり、元々の図面が無かっただけに設計だけで3年を要したそうです。沖縄在住の古老や米軍にもヒアリングを行ったはずで、当時の構造や建築様式を図面に落とし込むだけでも莫大な費用がかかったと思います。

今回は既に前回の復元のノウハウや図面が全て揃った状態で着工出来ることから、時間に関しては数倍早く完成が見込めるでしょう。

しかし、2020東京オリンピックの建設ラッシュ、各地の自然災害からの復旧で材料や工事費が高騰している昨今、前回を下回るとは言え莫大な予算が必要なことは言うまでもありません。

sponsored link

首里城に火災保険は適用される?加入していたの?

昔の首里城復元前の首里城は黒を基調としていた

首里城が火災保険に加入していたかどうかについては明確な発表がなされていませんが、11月1日の琉球新報によると、首里城は保険に加入していると沖縄県の担当課が回答。

今回、防火上の問題が多数指摘されていましたが、首里城クラスの規模となると1億~50億程度の損害賠償・施設賠償保険に加入していても不思議ではないと思われます。

「神社・寺院」向け損害保険(神社火災保険・寺院火災保険)」

神社・寺社仏閣向けの火災保険はあるにせよ、今回消失した全てが保険で賠償することは不可能だと思われますが、全てを寄付頼みで賄うのも限界があるだけに、保険・寄付・県・政府がそれぞれ協同して復興に当たることになると思います。

参考事例①1950年 金閣寺の焼失はなぜ国費で賄われたか

「金閣寺 火災」の画像検索結果

かつて、1950年に放火で焼失した金閣寺は、「国宝だった」ために国費で再建されたという事例はありますが、首里城は国宝ではなく、国費での再建は見込めません。また、復元後の金閣寺は歴史的価値を喪失し、世界遺産には登録されても、国宝ではなくなっています。

また、意外と知られていないのが、世界遺産とされているのは「首里城の遺構」部分であり、今回消失した「正殿」や北殿南殿においても実質的には“世界遺産”ではありません。

しかしながら、政府は今回の首里城焼失を受け、その復元について全面的に予算を拠出する意向を示しています。

参考事例②ノートルダム大聖堂の火災事故

ノートルダム大聖堂火災

フランス・パリが誇る世界遺産「ノートルダム大聖堂」は、2019年4月15日から16日にかけて火災で尖塔と屋根が消失しました。

フランス政府はこの貴重な建造物に対し、自家保険でリスクに備えていたそうです。日本の国宝扱いだった、ということなのでしょう。

参考記事:ノートルダム大聖堂の芸術品と改修業者、仏アクサが保険引き受け

1345年から存在するこの歴史的な建造物に対して、最終的に8億ユーロ(約970億円)もの寄付が世界中から寄せられました。日本もこれに対し2億ユーロ(240億円)の寄付を行っています。

幸い全てが消失したわけではなく、所蔵品の数々の国宝は安全な場所に退避されていたため被害を免れましたが、それでも「当時と同じ材料・技法で復元させる」ための費用は数千億円を優に超えると言われ、また長大な期間がかかると予想されています。

熊本城復興中

余談ですが、2016年に地震で損壊した熊本城の寄付金は、2019年時点で20億円ほど集まっているとのことです。

ここ数年の日本は災害の頻度も増えており、2018年だけでも6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、9月の北海道地震と寄付を募る機会も多いだけに、諸外国よりも寄付・義援金がが集まりにくいという背景もあるのかも知れません。

sponsored link

首里城の復元は政府主導で行われる?

首里城復興の新聞

金閣寺の焼失以降、国営の建造物が火災で焼失してしまったケースはそう多くはありませんが、かつての金閣寺の復元と同様、政府は大規模な復元工事の予算確保に動き出すようです。

小規模な修繕は県が、大規模な修繕は国が担うこととされた。内閣府関係者は「今回はどう見ても大規模だ」との認識を示し、国が前面に出て再建に取り組む意向をにじませた。

引用:琉球新報

自民党政府と沖縄県は、かねてより辺野古基地移転で中央と地方の軋轢が生じセンシティブな関係が続いていただけに、今回大々的に政府が支援を行うことで沖縄県に“貸し”を作りたいという意向が無いわけではないと感じられます。

首里城のビフォーアフター

いずれにしても、首里城は曲がりなりにも世界遺産登録された、日本が誇る歴史的な建造物だけでなく、沖縄県民の文化を象徴する大切な存在です。

多くの寄付が集まって、再び観光で訪れることの出来る日が来ることを心待ちにしたいですね。

error: Content is protected !!